げどう塾

ATLUS系ゲームについての忘備録

D2 私見 考察 前編

先に主旨を述べておく、一つにそもそもほとんど触れてない人に何が問題なのか説明ができる事、一つにゲームの構造に対して解析及び考察を与える事。筆者はある時点でドロップアウトして以降はアプデの内容を確認してちょこちょこ触る程度だがなるべく主観的な感想や机上の改善論などの不毛なものは取り除く事を目標にやってみよう。

これは前編を予定している、サービス開始初期の状況を前提に書いている部分がいくつかある。

ゲームの流れ

D2は資源管理の要素をゲームに含んでいる、戦闘システムがゲームの肝ならば資源管理はゲーム性と課金性の混ぜ物、どういう類の資源があり、どういう上下構造なのかを確認しておこう。

今回の雑画像(御霊*1の事忘れてました。)

大体の要素はこんなもんだ、図だけではわかりにくいので文字で適宜解説を入れる…がソシャゲなのでまずは避けて通れない課金について触れよう、ちょうど下にもリアルマネーってある事だし。

大別すると二通りだろう、ゲーム内の中核要素、特にキャラクターであるパターンが非常に多いがこれを手に入れる権利を売る、これらはガチャから排出されるのでお世辞にも優しくない確率のガチャをする、ここでは「大口課金」と命名しておく。もう一つはゲームを進めるのに必要な物資(スタミナも含む)を売ったりスキンなどのゲームに直接関わらない要素に対して課金させる「小口課金」。既に誰かがなにかしらの名称を与えていそうだがここではこう定義する。

肝心のD2の課金要素はと言うと、どちらの要素も含む。二つが混じろうが中核要素に課金が食い込み、その要素無しではゲームが遊べない時点でこのゲームは大口課金を前提としている。その上で小口課金スタイルで遊べると吹聴するのは世の常である。

それを抜くとゲームが遊べなくなるものというと、このゲームでは悪魔がそれである。強化素材がなくても悪魔がいればゲームは進められる、しかし強化素材があろうと悪魔がいないとゲームは進まない。故に最も上位に「悪魔」という資源が存在し、「それを強化する要素」「強化要素を入手する方法、資源」「それらを生み出すエネルギーとしての時間とお金」という順番で上から下へのヒエラルキーが出来る。

下部構造をピラミッドのように積む事で一つの悪魔ができる、この悪魔を使って攻略を進めまた新しい悪魔を作り拡大再生産を繰り返すのがこのゲームということになる。小難しい話になったが要はRPGだ。じゃあシリーズファンに向けて説明することなどないと思うかも知れないが課金とRPGにおける成長の概念を取り込むと事態は非常に面倒な事になる、次で詳しく

プレスターンと合体とソーシャル

プレスターン、合体というメガテンの大きな柱を取り込む事と、徐々にサービスを拡張していくソーシャルゲームの相性如何について考えてみよう。プレスターン自体はシンプルな戦闘システムだ、弱点をついて行動権を増やす、D2はこれをほぼそのまま継承している。*2

言ってしまえばこのシステムは単純だ、弱点を突く攻撃がとにかく強く補助、回復、状態異常は弱点をついて得た行動権で行うので副次的な要素になる。

ここで例を出そう、アギ、パッシブ、カジャを持ったLv20の悪魔Aとアギダイン、パッシブ、カジャを持ったLv80の悪魔Bがいるとする。コンシューマー(以後CS)ならBはほぼ確実に作成される、アギとアギダインの威力が対して変わらない真IVのようなゲームだったとしてもLv20を80にするのに必要な経験値数は凄まじいし耐性はかなり違うし合体はした方が継承などの観点からお得だ。

しかしD2はどんな悪魔も同じレベル50に出来る、ステータスの合計値は低レアの方が有利で、まず配分の割合でしか差がつかない、mp消費は低い方が有利な事もあるのでAが魔に特化しているならBの価値はほとんどない…などという事も往々にしてある。

詳しく探ってみるとCSと比較して二者の差を埋めるのが簡単で場合によってはAがBを上回ってしまう、Bの側に専用スキルなどのメリットがあれば良いが初期ではそれも非常に少なかった。もちろん耐性面で差がつくしそこが大事なゲームだがそれが活かされる事はあまりない、後編の課題にしよう。初期の☆5悪魔は非常に課金欲を誘引する魅力に非常に乏しい集団だったと言わざるを得ない、オマケにガチャの結果の中に不純物が混じっている*3し合体で非常に強い悪魔を楽に作れるのが後に更にやらかす。また専用スキル実装などの改修*4を行ったがインフレが始まってからだ、初期にやってもそれはそれで返金騒動だったと思われるが。

どうしても好きなお気に入りの悪魔が欲しい時は合体で作る手段が残されている、課金がどのようにゲームに作用するかを見てみるとしよう

大口課金と小口課金

前に述べた通り大口課金を主軸にし細かい小口課金手段も用意しておくのと、小口課金だけに絞って基本無料かつゲーム性と課金を分けてで展開する事は全く別の運営方針でありD2は前者だ。D2は合体を導入する事で一見小口課金ゲームかのような印象を受けるが実際は大口である。というのもお題目になっているほとんどの悪魔が合体で制作できる!*5…とは言ったもののMAGが強烈な縛りになっている。

構図としては時間を投下してMAGを入手するか課金で悪魔を引くかの二択だが、初期は小さいお金で小さい時短と交換する手段がなかった*6のでプレイヤーは☆5を合体で手に入れる場合最短3ヶ月から半年以上*7はかかる*8、初期は時間にしろ金にしろとにかく莫大な量が必要だった。バグじみた方法でMAGを抽出する手法*9が出てくると今度はあまり人間らしくない生活*10をすれば良いし合体で作れる悪魔が強力でゴールになるという事もあってレートは最悪となった、事態を打開するために「あの悪魔」が次回登場するぞ!

コンテンツ

資源を管理する要素があり、意図的に資源の数はCSより多めになっている。のでこのゲームのコンテンツは明確に何かの資源を手に入れられるように作られている。色々あるが特徴としては出てくる量がとにかく渋い(特にサービス開始初頭)、難易度差が極端と言った所か。女神転生の特徴の一つであるAUTOには褒めれる程度に意欲的なので大抵のコンテンツは最終的にAUTOで攻略できるようになっているしそうなるようにAIの動きを考え、調整するのはD2独自の楽しみであると先に弁明しておく。実際これを軸にしたゲームメディア攻略記事などが存在するし読み物として面白い。

  • メインクエスト…悪魔を集める、悪魔以外はロクなものがない。両極端の下。
  • ストレンジシグナル…悪魔の覚醒スキルを解放する素材を入手できる、難易度7でも十分全ての悪魔が覚醒できるので簡単な部類、曜日で攻略できるのが決まっていてめんどくさいが両極端の下。
  • 罪の烙印…烙印は悪魔の5つの部位に装備でき種類を揃えるセット効果と烙印自体のステータス上昇効果がある。これがかなり気前が良くまた烙印のレア度に結びつきランダム性も高いのでこのゲームは強い悪魔と同じくらい強い烙印が重要になる。そのため難易度10はかなりキツい、一応無課金もOKだが大抵のプレイヤーは星2や3の悪魔を大量に星6*11にし試行錯誤を進める段階で飽きる。両極端の上
  • アウラゲート…ランダム生成3Dダンジョン、大体の資源は落ちる。本格的な資源収集として稼働する40層以下に入るのが少しキツい、両極端の上と下を内包する。
  • デュエル…後編で会おう!

以下は途中追加分

  • ジゴクパーク…月に1回更新されまとまった報酬が入手できる、素体限定ガチャ資源、MAG、カサネノマガタマ*12が手に入る。改修前はかなりの鬼畜難易度だったが改修後は飾りみたいな特殊ルールと5体編成を持て余す月末に勝手にスタミナ0になる、両極端の下
  • イクリプス…編成できる種族に制限がある、月1で変わる、報酬で星4限定ガチャができたり金、MAGもらえる。
  • デビルバスター極…クソ強悪魔と戦う、初期は後述のバランス関連の煽りを受けてしょうもない持ち物検査の趣が強い、以後は知らない。マッカがめっちゃもらえる。

もう一度分類しよう、常に回す必要があるインフラ(ストレンジ、メイン、アウラ)系、投入した時間に対して費用逓増*13を起こすデフレエンドコンテンツ(烙印)、月1で勝手に無料なり半額になりプレイヤーに資源を配るためだけのコンテンツ(イクリプス、ジゴク)、ガチガチエンドコンテンツ(デュエル、極)

大まかに分けて二つめんどくさい点がある。まず、合体に必要なMAGが多いなど始めとして大体の基礎的な資源は後期では大分改善されたがドロップ率に難がある、もう1つは難易度に幅がある事で両極端の端から端へ移るのがめんどくさい、これは事前登録と初動のユーザー数に一気に差をつける要因になると考えられるし、同時にヘビーとライト層に差が開きすぎて満足な調整をかけれなくした。もう一つはエンドコンテンツが実質デュエルと烙印のヤベー難易度、月1の極しかない。デュエルと極はそれぞれ幾らか問題があると考えている、これも後編で。

このゲームのやって身に起こるのは真ん中の崖が登れないか、登ってやる事を喪失するか、終わりのないインフレに飲まれるかの3つがだいたいだ。

横軸が進行度で縦軸がその進行度にかかる手間だ、青→黄→赤はライト→ミドル→ヘビープレイヤーに対応している。上のようなばらけ方を想定していたが実際は下のようになっていると考えている。バランス調整の難易度がかなり高い。

まとめ、後編に向けて

今回は「ゲームの仕組み」「課金要素の実態」「コンテンツの薄さ」「悪魔の差別化失敗」などについて話した。ところどころ後編で話すと言っていたが、コンテンツ関連と悪魔差別化関連がデュエルと絡み合って事態は更なる急転直下を迎えるのが後編なので気になるなら読んで欲しい、チャオ。

*1:シリーズおなじみのアレ、初期レア度に対して投入数が決まっている。残念な所はステータスの上昇量の上限が一律10なので内部的には下級悪魔のステに補正が入ったのと一緒

*2:違う点はアイコンが点滅している状態で弱点を突いても更にアイコンが点滅するのではなく点滅状態のアイコンを消費する。前の二人が弱点を突いて後ろの二人が好きに行動するということができない、行動順も戦略に組み込ませつつオートと手動の差が出なくなるのでこれは良い調整だと思う

*3:アーキタイプや加護スルトなどのワードで検索してみよう。

*4:これの出来は微妙、シヴァが妙に悲しみを背負うなどシリーズファンからすればはてなマークが出る

*5:最近はガチャ限定種族なんてのも出てきた

*6:月に1回まで60万MAGを買える権利が登場することすらリリースから半年を要した、運営はどうやらこのゲームに3、4ヶ月は普通に張り付いてやってくれると思っていたらしい、の割には実際に張り付きまくるプレイヤーの想定が甘くバランスがぶっ壊れた

*7:☆5の上位は☆5同士は合体を複数回擁するので回数分の300万MAGがいる、初期は素体同士緩和もない。

*8:参考までに開始初期にアウラ50層まで言ったとして1回1万MAGで最大1日5万MAG、狂気じみたログインをしてようやく2ヶ月で300万MAGが溜まる。星4はこの勢いなら2週間もあれば大抵OKな事を考えると星5は非常に吹っかけられている。

*9:チェスマラ

*10:🤠談

*11:例えば星2の悪魔だけを使って星6を目指すとLv40、45、50までの経験値と240体の星2悪魔がいる

*12:スキルのレベルを上げる、バランス調整によって需要がました…が供給数も増えた。元はレベル上げに星5が必要だったりする上位スキルのために導入された

*13:投入した資源(ここでは時間)に対して得られる利益がどんどん減ること